城内の見どころが多い知念城跡

知念城跡は沖縄南部の南城市にあり、知念按司の居城であると伝えられている。

 

知念城跡の周辺にはノロ屋敷跡や石畳をはさんで古屋敷跡などがあるほか、正門から300メートルほど先の崖下には知念按司墓、近くには「ウファカル」とよばれる稲作発祥の地もあり、周辺は見どころの多いスポットである。

 

知念城跡はたくさんの自然に囲まれており、のどかな雰囲気とのんびりとした空間が、癒しを与えてくれる場所でもある。

 

城内には、国王や聞得大君が、拝所を巡礼する「東御廻り」の時に参詣した拝所「友利御嶽」があり友利とは「尊い」を意味している。

 

また正門を入ると瓦葺きの火の神が祀られている小さな社殿があり、これも見どころの一つとなっている。

 

また神の島とよばれる久高島を遥拝する場所もあり、県外からもたくさんの参拝者が訪れる神聖な場所である。

 

尚、知念城跡は1972年には国の指定史跡に登録されている。

2つの郭からなるグスク

知念城跡は、神話の中に登場する「天孫氏」によって築かれたと伝えられるグスクである。

 

天孫氏は琉球の歴史書に度々登場し、琉球最初の王統とされる氏族である。城の詳しい創建についての詳細は分かっていないが、かなり古い時代から存在しており17世紀末に改築されたと考えられている。

 

知念城跡は西側の切石積になった新城の「ミーグスク」と、東側の高台にある古城の「クーグスク」とよばれる2つの郭からできている。

 

ミーグスクは二つの門と自然石を高さ2メートル前後まで野面積みにした城壁があり、12世紀末〜13世紀頃、天孫氏時代に築城されたと考えられている。

 

クーグスクは切石を相方積みにしたもので、三山時代の尚真王代に内間大親に造られたと考えらえている。

 

城跡内には1761年から1903年に至るまでの間、知念間切の番所、いわゆる役所が置かれていた時代もあった。

 

知念城跡は現在では史跡跡整備事業が進められており、特に18世紀ころの様々な資料が確認されており今後の解明が期待されている。