沖縄各地で見られるハーリー
ハーリーとは漢字で「爬竜」と書き、旧暦の5月4日に沖縄各地の港で行われる、爬竜船を競い合うイベントである。
この爬竜船を競い合うことで航海安全や豊漁を意味している。良く知られているものは、那覇ハーリー、糸満ハーレー、豊見城ハーリーなどがあるが、「ハーレー」と「ハーリー」という言い方があり、地域によってその呼び名が異なる。
沖縄のハーリーのはじまりは諸説あるものの、中国福建省や広東省などで端午の節句に行われる、「龍舟節」に起源を持つといわれている。
また15世紀ころ、南山王の弟汪応祖が中国に留学し、帰国後に豊見城の城主となる。
その際に中国で見た爬竜船を真似して作り、豊見城近くの漫湖で競漕の行事をしたことがはじまりとも言われている。
この言われから豊見城の中にある豊見瀬御嶽では、那覇ハーリー前日に「ハーリー由来まつり」を行い、五穀豊穣や安全を祈願しており、約600年もの伝統を守り続けようとする姿勢を見ることができる。
ハーリーの歴史
琉球王国時代に入ると、首里城の龍潭池が完成しており、ここは中国からの冊封使をもてなすための場所として使われており、この池で爬竜舟競漕をした記録が残されている。
つまり琉球王府にとってもハーリーは大事な伝統行事でもあったのである。
琉球王国から明治政府と代わり、廃藩置県によってハーリーは禁止されたが、地域の行事として再度行われるようになったが、1928年を最後に競漕は途絶えている。戦後になり各地で復活をして、1975年に復活した那覇ハーリーは沖縄で最大の規模を誇るものである。
那覇ハーリーの見どころ
那覇ハーリーは、一般には旧暦の5月4日の(ユッカヌヒー)に行われることが多いが、那覇ハーリーはたくさんの観光客に見てもらいたいという思いから、新暦のゴールデンウィークの5月3日〜5月5日の間に行われている。
初日は那覇市内の中学生による学校対抗戦や職域対抗戦が行われ、往復400メートルの距離でタイムを競い合い、笑あり涙ありのどこか感動的な光景を見ることもできる。
2日目には「ハーリー一般体験乗船」が行われ青年会や地元の企業など様々な組み合わせとなっている。
最終日には職域対抗戦のほか、御願バーリーと本バーリーが行われる。
御願バーリーは、古式ハーリーに衣装をまといハーリーの歌を歌いながら、見事な櫂さばきが見どころとなる。
これは神に豊穣を願うものであり、その後行われる本バーリーでは、往復600メートルのコースで競漕が行われその年の覇者が決められる。
この3日間はハーリー競漕のほか、花火大会、相撲大会、お笑いライブ、ダンスコンテストステージイベントなどが行われる。
期間中は出店も多数出店して、朝から晩までとにかく盛り上がりを見せる。
海上ではハーリーの体験乗船を楽しめることも魅力の一つである。
那覇ハーリーは他の沖縄エリアとは異なる点に「舟」が挙げられる。
沖縄各地のハーリーは主に漁労用のサバニ(手漕ぎ漁船)を使い、漕ぎ手10名、舵取り1名で操るが、那覇ハーリーの特徴は全長14.5メートル、幅2.1メートル、重さは2.5トンとその何倍もの大きさとなる。
さらに漕ぎ手は32名、鐘打ち2名、舵取り2名、旗持ち6名と、乗組員が合計42名になりとにかくスケールがとても大きく、その分見応えもあることが特徴である。
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