500年以上もの歴史があるお祭り

那覇空港から約2時間半、沖縄北部にある大宜味村で開催される塩屋湾のウンガミ(海神祭)は、約500年もの歴史があるお祭りである。

 

毎年旧盆明けの初亥の日に塩屋湾で行われ、五穀豊穣、豊年祈願を行う行事である。

 

なぜ亥の日に執り行われるのかはっきりとしたことは分かっていないが、もともとは塩屋、屋古、田港、白浜の4つの地区で行われていたが、現在は大保、押川、江州の地区も加わり、全部で7つの地区で行われる。

 

このお祭りは、もともとは北部の村々で起こったものであるが、時代とともにその様式は少しずつ変化しながらも村民が一丸となって盛り上がりを見せる一大イベントである。

 

中でも昔からの形式を受け継ぎ原形に近い形で行われているのが、この塩屋湾のウンガミのみといわれている。

 

塩屋湾は海と山に囲まれた自然豊かな環境にあり、それで生活の糧を得ていたことから各地で豊作を願い行事が生まれてきた歴史があり、地元民のウンガミに対する厚い信仰と団結心が、まさにこのお祭りの歴史を支えていると言われている。

 

1997年に地元の人たちによって大切に受け継がれてきたことが認められ、塩屋湾のウンガミは国の重要無形民俗文化財に指定されている。

お祭りの流れ

このお祭りの特徴は女性中心の祭祀であり、神に仕える「カミンチュ」と呼ばれる女性が、海の遥か彼方にある楽土と言われ「ニライカナイ」から神をお迎えする儀式からはじまる。

 

ウンガミの最大の見どころは、ウガンバーリーと呼ばれる船漕ぎ競争である。

 

これは沖縄全域で盛んなものであるが、塩屋湾のウンガミで使われる船は40人乗りにも及びとても壮大なスケールであり、これを見て驚く他の地域の沖縄県民も多いという。

 

このイベントでは女性たちが腰まで海水につかり太鼓を叩いて、男性たちは懸命にゴールを目指して船を漕ぐ姿は圧巻そのものであり、とても見応えがある。

 

これを一目見ようと県外から足を運ぶ見物客も多く、毎年盛大な賑わいをみせるお祭りである。