戦後に開発されたエリア

那覇新都心とは、沖縄那覇市の北部に位置する再開発地区のことであり、おもろまち地区とも呼ばれる。

 

戦後はアメリカ軍によって強制接収されていた場所であり、1987年(昭和62年)に30年以上経過したようやく返還された土地である。

 

日本側に返還された後には新都心開発整備構想のもと、道路開発や公共施設建設のために地主たちが所有する土地の約半分を、国と地方公共団体に譲渡している。

 

しかし一方でこのエリアはシュガーローフの戦いと呼ばれる沖縄戦の激戦の地であり、この場所を後世に残そうという運動も起きており非常に混乱を極めた場所でもある。

 

この非常に狭い場所で日米合わせて約5000人もの死傷者を出しており、非常に痛ましい場所でもある。

 

この土地には多くの戦争の遺物や人骨などが見つかっているが、その戦闘を振り返ることなく開発が進められることに疑問を投げかける地元の人も多いこともまた事実である。

 

現在では免税店のDFS、ショッピングセンター、総合運動公園、さらに高層ビルなども建設予定であり、まさに今もっとも開発が進められている場所といっても過言ではない。

 

特に那覇中心部の国際通りなどにも近く、ゆいレールのおもろまち駅や古島駅に近接しているエリアでもあり、非常に利便性の優れている場所でもある。

 

特に那覇市は那覇空港の制限表面区域内にあるため超高層ビルを建てることができない制限のあるエリアが多いが、ここ那覇新都心は制限地区の対象外となっており高層ビルが次々に開発されている。

 

那覇の中でも家賃やテナント料などももっとも高いエリアでもあり、まさにホットな場所である。

 

中でも注目されたのがリュークスタワーと呼ばれる、分譲ツイン(イースト・ウェスト)マンションである。

 

地上30階建て、最高部の高さは108メートルと県外一の高さを誇り、おもろまちのシンボルとなっている。

那覇新都心開発による問題点

一方で那覇新都心は、いろいろな課題をもたらしている。

 

高層ビルにさほど親しみのない那覇市民にとって、街の景観を損なわれることや高層ビルによる圧迫感、日照不足などはとても大きな問題である。

 

また那覇市は慢性的な渋滞がひどいエリアであり、ますます交通渋滞の悪化をもたらすとともに、環境汚染や日照不足などの問題なども指摘されている。

 

沖縄返還後の土地問題や環境問題など、様々な問題を抱えている那覇新都心であるが、観光客にとっては買い物やグルメを楽しむのに人気のスポットであり、近年は外国人も多く訪れる場所となっている。