空前の外国人観光客ブーム

2015年に沖縄と訪れた外国人観光客は150万人を超え、はじめて100万人を超えた。

 

その年に沖縄を観光目的で訪れた人は776万人となることから、実に5人に1人は外国人観光客ということになる。

 

訪れた観光客は中国がもっとも多く、続いて韓国、そのほか台湾や香港などの近隣諸国からの観光客が全体の8割となった。

 

このような観光ブームとなった理由には、2011年から日本政府は中国人個人観光客向けの沖縄滞在を条件とした、中国人観光客向け数次査証(ビザ)の発給を開始したことによって、その件数が着実に伸びてきていることが挙げられる。

 

このビザの発給は沖縄の振興目的の一つとして導入されたもので、沖縄に1泊以上すること、経済力のある人、過去3年以内に日本への短期滞在での渡航歴があるなどの諸条件があり、1回の滞在は30日以内となる。

 

さらに円安や日本に対する旅行が一つのブームとなったこと、またクルーズ船の運航期間や寄港回数が増加し、格安航空会社(LCC)の参入によって、台湾や韓国などからの観光客が増加した。

沖縄を訪れる外国人観光客の傾向

沖縄を訪れる外国人観光客の中でももっとも多い中国人は、レンタカーの運転ができないことから、いわゆるバスツアーによる団体旅行で県内の観光をすることが一般的である。

 

しかし沖縄の文化に触れることよりも、どちらかといえばショッピングスポットに立ち寄るショッピングツアーとしての性格が強いともいわれている。

 

国際通りではお土産だけではなく、電化製品やドラッグストア、デイスカウトショップなどに立ち寄って、いわゆる「瀑買」をする中国人を見かけることもごく一般的な光景である。

 

また台湾人は中国人とはやや異なり、少人数で周りガイドブックなどで研究をしながら、ややデープなスポットを巡ることも多いようである。

 

中国人と比べると爆買のようなことは少ないが、やはり買い物を目的としている人が多いことも事実である。

今後の展望

中国人観光客は、日中問題などにも大きく左右されることも多く、今後安定的な成長が見込めるかという点にはやや疑問視する声もある。

 

事実尖閣諸島の問題が起きた際には、中国人観光客が減ったことも事実である。

 

また中国はバブル崩壊を懸念されていることから、外国人観光客の増加とともに、観光産業を拡張していくことにはややリスクがあり、その線引きが非常に難しいともいえる。