習慣・風習記事一覧

沖縄の町を歩いていると「石敢當(いしがんとう)」という文字をよく目にする。本土の人にとっては全く馴染みのないものであるが、沖縄では道の交差点や行き止まり、時には民家の塀などにもよく見かける。表札のような形式のものもあれば、壁に直接掘られたようなものも見受けられる。さらには50センチ以上もある大きめのものや、プラスチックに文字が刻まれているものなど形も様々である。時にはシーサーの形をしているものもあ...

沖縄には「ウチカビ」と呼ばれる言葉があり、本土に住む人にとってはあまり聞きなれない言葉である。沖縄の人にとってはごくごく普通の風習であり、これはあの世のお金を意味しており「打ち紙」と書く。沖縄では旧暦で行事が行われることが多く、お盆は7月13日〜15日の3日間にあたり、お盆や晴明祭ではこのウチカビが使われるのだ。ウチカビは主に藁を原料としており、薄い紙に銭型がたくさん打ち込んであるデザインが施され...

沖縄の葬式は、本土と同じような仏式と沖縄に伝わる伝統式があり、それを合わせたもので行われることが多い。ただ本土と異なる点といえば、一般の人でも訃報を新聞に掲載することである。本土では一般的には著名人、有名人、財界人などが多いが、沖縄では一般の人のコーナーが設けられている。また喪主や日時、葬儀場などの詳細にとどまらず、子どもや孫、兄弟の氏名が列挙されることも多い。ちなみに沖縄の新聞に掲載をした場合の...

近年占いやパワースポットブームの影響を受けて、県外の人がユタのもとを訪れて、人生の迷いや相談をしにくる人も増えてきているという。このユタとはいわばシャーマンであり、霊媒師である。日本には東北地方や沖縄地方を中心にシャーマンの存在が顕著であり、東北地方では「イタコ」、沖縄地方では「ユタ」をイメージすると分かりやすいかもしれない。ユタはそのほとんどが女性であり、古来から沖縄人の生活の中に生きてきた、特...

沖縄の方言で「なんくるないさー」という言葉が良く使われる。「なんくる」は「なんとか」、「ないさ」は「なるさ」で、これは標準語の「何とかなるさ」という意味とほぼ同じ意味を持つといわれている。「難しいことを考えずに気楽に考えようよ!」とか、「くよくよ考えていたって仕方がないからどうにかなるでしょう!」というように、現代では楽観的な意味でとらえられていることが多いのだ。確かに悩んでも仕方がないときや、く...

沖縄を旅しているとよくシーサーを見かける。特に多いのが建物の屋根や門などに置かれているもので、沖縄らしい風景である。シーサーとはいわゆる守り神であり、悪魔を追い払う魔除けの意味があるとされている。今ではすっかり全国的に有名であり、お土産ショップではシーサーをモチーフとした、置物、ステッカー、マグカップにいたるまでたくさんの商品が販売されている。シーサーとは「獅子」で、沖縄の方言で発音したものであり...

沖縄のお盆は、他の地域とは少し異なる独特のスタイルがあり、お盆は沖縄の人にとって、とても重要な行事である。沖縄では遠くに先祖をとても大切にする儀式や伝統があり、ご先祖を自分の家に招き、家族と子孫と過ごす先祖供養である。沖縄では人が亡くなると、神様となって空から見守って下さると考えられている。このように先祖に対する思いとともに、豊作に感謝し、来年の豊作を祈願する行事でもあるのだ。沖縄の行事は旧暦で行...

沖縄では台所に、火の神が宿っていると考えられている。この「火」とは「かまどの火」を意味しており、沖縄ではとても身近な神様なのだ。つまりこの「火」によって家庭を温かく見守ってくださっていると考えられており、火の神のことを「ヒヌカン」とよぶ。ヒヌカンは、火を取り扱うコンロの近くに祀ることが良いとされている。色は全て白色で統一するが、これは神の衣類が白を基調としていることに由来している。ヒヌカンに用意す...

沖縄には「ニライカナイ」とよばれる信仰の形態がある。本土ではあまり聞き慣れない言葉であるが、沖縄では古来から大切にされてきた信仰であり、それは今も大切に受け継がれている。このニライカナイとは、海の遥か彼方に理想郷の楽土があると信じられているものだ。古来から地平線よりも遥か彼方に、まだ見ぬ楽園があると信じられており、五穀豊穣や命の源、先祖への崇拝など、人々はその方向に向かって祈りを捧げていたのである...

御嶽沖縄を歩いているとたくさんの香炉を見かける。神社、ガジュマルなどの木々、砂浜、湧き水、時には道沿いなど、注意深く歩いているとその香炉の多さに驚かされることも多い。これらは御嶽と呼ばれるもので、琉球信仰の形態である。地元の人や霊的なアドバイザーユタなどが、御嶽を訪れては祈りを捧げている光景もごく日常的であり、お酒などのお供えものもよく見かける。いわば御嶽は聖地であり、沖縄の人が古来から大切にして...

沖縄の結婚式は本土のスタイルとは異なり、本土では当たり前とされていることも沖縄ではそうではないことも多いようである。特に沖縄では普段から行事が多く、親族や親せき付き合いが本土よりも深いという理由も挙げられる。そこで今回は、沖縄ならではの結婚式の特徴やスタイルについてご紹介する。

十六日祭とは、旧暦の1月16日に行われる八重山独特の伝統行事で、「グソウ(後世)」の正月と言われている。旧暦の1月14日〜15日は「ソーグヮチグワァー(小正月)」といい、この日は生きている人の旧正月の終わりを意味しており、飾りつけなどもしまう日でもある。この期間はあの世から神様がいらっしゃると言われており、先祖の墓参りは慎むことが一般的である。そしてようやく小正月が終わった1月16日から、ようやく...

沖縄の宗教観を語る上で欠かせないことといえば、先祖崇拝である。先祖崇拝というと沖縄以外の本土の人にとっても、古来から大切にしてきたという人も多いはずだ。本土の先祖崇拝は仏教や神道と密着して発展してきたものであるが、沖縄の祖先崇拝は、本土とは異なる独自のものを形成している。つまり先祖崇拝そのものが独自の宗教でもあり、非常に奥深いものなのである。沖縄では何か祈りを捧げたり、近況を報告をする際に、神様で...

沖縄は約450年、琉球王国を歩んできた歴史があり、独自の文化を持っている。大晦日には、骨付き肉の入っている「ソーキそば」を食べるのが正月前の習わしだ。そしてもちろん、食生活においても、本土のいわゆる「おせち料理」とは異なるものを持っているのだ。つまり正月料理は、沖縄の郷土料理でもあり、本土では馴染みのない食材や、見た目からではその食材が分からないことものを使われることも多い。沖縄では豚がよく料理に...

沖縄では仏壇のことを「トートーメー」といい、本土の仏壇とは異なる独自のスタイルがある。また「トートーメー」とは、ご先祖様や位牌をさすこともある。お正月はお盆になると、仏壇の前に家族が集まって、ご先祖様を偲び、日頃あったことをご報告したり、感謝の気持ちを伝えて過ごすことが一般的である。沖縄では、大人が子供に向かって仏壇の前で「ウートートーしなさい」という言葉を使うことがある。これは仏壇の前で手を合わ...

十五夜は旧暦の8月15日に行われる伝統行事で、沖縄では十五夜のことを「ジューグヤ」と発音し、本土でよく使われる「お月見」とは言わないことが一般的である。また十五夜のことを「ウチチウマチー」や「ウチチウガン」などと、地域によって呼ぶところもある。沖縄では十五夜に「フチャギ」とよばれるものを、ヒヌカン、仏壇、神棚にお供えをする習慣がある。このフチャギとは、餅粉に水を加えてこねて蒸し、そこに小豆をまぶし...

沖縄では60歳で本土と同じように還暦、88歳では米寿の「トーカチ」と呼ばれるお祝い、97歳になると「カジマヤー」とよばれるお祝いを行う習慣がある。このカジヤマ―とは、旧暦9月7日に行われる長寿のお祝いで、カジヤマ―は「風車」を意味している。この年齢になると人は童心にもどる、子供に戻るという言い伝えがあり風車(カザグルマ=カジマヤー)を持つことに由来しているものである。これには諸説あり明治時代までは...

「ハジチ」とは琉球王国時代から明治末期まで、沖縄で広く行われていたいわゆる女性の刺青であり、沖縄固有の風習である。竹針で突いて墨を入れていくことから漢字では「針突(ハジチ)」と呼ばれており、その職人のことを「針突師(ハジチャ―)」と呼ばれていた。文様については地域によって少しずつ異なり、墨を入れていく際にたくさんの針で何度も何度も刺すことから、耐えられないほどの痛さであったという。また見ているだけ...

ムーチーとは沖縄の言葉で「餅」もしくは「鬼餅」を指す沖縄の方言である。沖縄のお餅は本土のものとは異なり杵などでつくのではなく、もち粉を水でこねて蒸したものが一般的である。モチモチとして食感と素朴な味わいが人気である。ムーチーは餅粉に水を加えて練り、平たい長方形にしてサンニン(月桃)とよばれる葉に包んで蒸したものである。サンニンの葉の香りとお餅の甘みが見事にマッチして、子供から大人まで大好きな食べ物...

沖縄はとにかく行事が多いことで知られているが、子供が誕生してからの一週間の間、お祝いや儀式なども多いものである。今ではその形態が変化してほとんど行われなくなったり、簡略化されているものもあるが、沖縄独自の儀式があることも事実である。赤ちゃんが誕生した日には、「カーウリー(川下り)」とよばれる行事が行われる。孫の誕生を喜ぶ祖母はヒヌカン(火の神)やトートーメー(位牌)にお祈りを捧げ、そして「ウブガー...

沖縄では本土と同じように88歳の米寿のお祝いが行われるが、これを「トーカチ」と呼ぶ。沖縄では米寿という呼び方よりも、この「トーカチ」と呼ぶことが一般的であり、旧暦の8月8日に行う。トーカチとは枡に盛った穀類などを掻き落し平らにする竹製の道具「斗掻(とかき)」の方言であり、17世紀ごろ薩摩から伝わった長寿を祝う風習である。お祝いに来てくれた人には、一人一人にこのトーカチを配っていたことから「トーカチ...

沖縄で結婚をする前の結納は、とても重要な意味を持っており結納がうまくスムーズにできれば、結婚そのものもうまくいくと考えられている。沖縄ではかつては自宅で結納が行われることが多かったが、今ではレストランやホテルなどで行われることも多いようである自宅で行われる場合は、床の間で行われることが多い。一般的に床の間には仏壇があることが一般的であり、これも先祖を大切にする沖縄らしい風習といえる。また結納を行う...

沖縄を旅していると本土とは異なる習慣に驚かされるとともに、ついつい興味深くみてしまうことも少なくはない。そこで今回は沖縄ならではの一風変わった習慣についてご紹介していきたい。沖縄の味噌汁はとにかくラーメンほどの大きさであることも多く、それだけでお腹がいっぱいになってしまうこともあるという。また味噌汁だけオーダーすると、ご飯や漬物なども一緒についてくることもある。また具材もたっぷりと入っており豚肉も...