97歳のお祝いカジヤマ―

沖縄では60歳で本土と同じように還暦、88歳では米寿の「トーカチ」と呼ばれるお祝い、97歳になると「カジマヤー」とよばれるお祝いを行う習慣がある。

 

このカジヤマ―とは、旧暦9月7日に行われる長寿のお祝いで、カジヤマ―は「風車」を意味している。

 

この年齢になると人は童心にもどる、子供に戻るという言い伝えがあり風車(カザグルマ=カジマヤー)を持つことに由来しているものである。

 

これには諸説あり明治時代までは、死装束をまとって模擬葬式をおこない、集落の七つのカジマヤー(四辻)を巡ることからつけられたとする説がある。

 

沖縄といえば長寿の県として知られているが、このカジヤマ―に対する思いが強いのも沖縄ならであり、まさにこれを目指して、健康維持を頑張っている人も多いと言われており、まさにこれも長寿の秘訣といっても過言ではない。

集落全体が賑わいをみせるお祝い

カジヤマーのお祝いではオープンカーにのって、盛大にパレードが行われる。

 

オープンカーはまさにド派手とも言えるほどにカラフルな装飾がなされ、とても華やかな印象を受ける。

 

オープンカーは基本的に一人一台乗るので、お祝いされる人の名前が車のボディに垂れ幕となって掲げられている。

 

衣装は女性は88歳にお祝いしたときに着用した青・黄色の紅型に赤色の打掛を羽織り、男性は頭巾にちゃんちゃんこを着るのが習わしである。

 

集落の中を巡り、風車を持った見物客から拍手やお祝いの言葉が送られ大変な賑わいを見せるものである。

 

家族や親族以外からも祝福されるのは、まさに沖縄ならではの集落の結びつきを見ることができる。

 

カジヤマ―は集落以外の人でも見学できるので、県外の人にとってはその盛大なお祝いに驚く人も多いという。

 

またカジヤマ―のお祝いの前には、地元の子供たちや青年団たちが町内をパレードをして、まさに華やかな一日となる。

 

また子供、孫、ひ孫だけではなく、集落全体がお祝いを見せる光景は、健康で長生きできることの幸せを表しており、どこか感動的な雰囲気もまたそこにあるのである。