お盆で使われる「ウチカビ」
沖縄には「ウチカビ」と呼ばれる言葉があり、本土に住む人にとってはあまり聞きなれない言葉である。
沖縄の人にとってはごくごく普通の風習であり、これはあの世のお金を意味しており「打ち紙」と書く。
沖縄では旧暦で行事が行われることが多く、お盆は7月13日〜15日の3日間にあたり、お盆や晴明祭ではこのウチカビが使われるのだ。
ウチカビは主に藁を原料としており、薄い紙に銭型がたくさん打ち込んであるデザインが施されている。
沖縄ではスーパーや商店などで簡単に手にいれることができ、20枚セットで100円と値段も手ごろだ。
かつてはそれぞれの家庭でお盆の時期になると、スタンプのようなものを押して一つ一つ丁寧に手作りをしていたという。
ウチカビは沖縄だけではなく、もともと台湾や香港でもこのような風習があり、それが伝わったのだと言われている。
今回は、あの世のお金「ウチカビ」についてご紹介していきたい。
先祖供養とウチカビ
お盆は1日目(ウンケー)、2日目(ナカビ、ナカヌヒ)、3日目(ウークイ)と分けられており、1日目はご先祖をお迎えする儀式を行い、仏壇にお酒や果物などをお供えする。
2日目は親戚などの家を巡って仏壇にお祈りし、この日は特別な行事はない。
そして3日目に必要となるのが、この「ウチカビ」である。
ウチカビとは、あの世のお金のことであり、これを燃やして先祖へお金を送る沖縄の風習であり、先祖供養を意味している。
燃やす際にはまんべんなく燃やす方が良いといわれている。
ウチカビの意義
ウチカビは3枚で1組となっており、一人一人これらを用意することがその習わしである。
1枚あたり数十万円の価値があるといわれており、5人家族でこれを用意したら、相当な額になる。
これはあの世へ税金を納めたとも、ご先祖たちがお金に困ることなく暮らせるようになど、様々な意味合いがあると考えられている。
尚、販売されているウチカビの種類によっては、本物のそっくりのものも販売されており、罰当たりなことにウチカビによる詐欺事件も起きている。
沖縄のスーパーでウチカビを見かけたら、おもちゃのお金ではなく、お盆に使われる重要な意味を持つものと理解しておきたいものである。