沖縄の一大景勝地・万座毛

万座毛は恩納村役場の北西に位置する岬であり、沖縄を代表する景勝地で多くの観光客が訪れるスポットである。

 

隆起した珊瑚岩から成る高さ約20メートルの絶壁に、荒波が打ちつけ、象の鼻のような形をした岩が印象的なスポットである。

 

万座毛とは琉球王国時代、尚敬王が、「万人が座するに足る毛(一万人が座れる広い毛(原っぱ))」という言葉を使い、「万座毛」と表現をしたことに由来すると言われている。

 

今でもそれは変わらず、万座毛にはどこまでも広々とした芝生が広がり、空に近い感覚はなんとも心地が良い。

 

さらに周辺に奇岩が広がる光景はなんともインパクトがあり、エメラルドグリーンの海を一望できる景色のよい場所である。

 

万座毛の周辺は遊歩道が巡らされており、1周20〜30分で見学できる。

 

今でこそ一大観光地として知られているが、かつては太平洋戦争の悲しい歴史が残る場所でもあるのだ。

集団自決をした悲しい歴史

ここは太平洋戦争末期、恩納村周辺は戦争の激戦区であった。

 

上陸をしてきたアメリカ軍に一般市民が追い込まれ、さらに捕まえられてしまえば捕虜になってしまう悲しい現実が待ち受けていた。

 

またむごい殺された方をしたことを聞いたり、見たりすることにより、それであれば自ら「死」を選んだ方がよいと考え、ここ万座毛の崖から次々と集団自殺した場所でもある。

 

沖縄ではこのように自ら死を選び、自殺をすることを「集団自決」という。

 

とある研究によれば沖縄全体で、約1000人以上が集団自決を選んだとも言われており、これは沖縄戦で亡くなった一般市民の1%及ぶ。

 

しかしこの集団自決には諸説あり、自ら死を選ぶとも、軍の命令によって死を選んだとも言われている。

 

沖縄各地にこの集団自決をした場所があるが、ここ万座毛はその一つに過ぎない。

 

この歴史的事実を知っている観光客は、なんとなく万座毛に来ると暗い雰囲気になると言う人も多いはずだが、しかし忘れてはならない出来事であることに違いない。