アマミキヨと浜川御嶽

伝説によれば、沖縄開闢の神・アマミキヨが海の遥か彼方の楽土といわれるニライカナイからやってきて、海近くのヤハラヅカサに上陸し、その後すぐ近くにある浜川御嶽に仮住まいをしたといわれる。

 

ヤハラヅカサは海中の中にある小さな石碑であり、「ヤハラ」とは「柔らかい、穏やかな、優しい」などという意味を持ち、「ヅカサ」とは「塚」を意味している。

 

そして海から約50メートルほどの場所に古めかしい石垣があり、その上に浜川御嶽の拝殿がある。

 

周囲はうっそうとした緑に囲まれ、とても神秘的な雰囲気が漂う場所である。

 

この浜川とは海辺にコンコンと湧く泉があり、その泉がハマガーとよばれ御嶽の名称になっており、アマミキヨはここで疲れを癒したという。

 

そしてしばらくすると安住の地を求めて、ミントングスクに移動したと伝えられている。

 

そしてここミントングスクで3男2女をもうけ、その子孫がさらに繁栄して沖縄中に広がったと伝えられている。

 

浜川御嶽とミントングスクの地は首里城の東側の聖地を巡る東御廻い(アガリウマーイ)の拝所として親しまれており、ともに南城市の史跡・有形民俗文化財に指定されている。

 

尚、アマミキヨのお墓は沖縄中部の浜比嘉島にあり、こちらも地元の人たちによって大切に守られている。

聖地としてのミントングスク

ミントングスクは、沖縄南部の南城市にある標高110メートルの古いグスクである。

 

ミントングスクは知念さんとよばれる個人の私有地の中にあり、見学する際にはマナーを守りたいものである。

 

入り口付近で拝観料を入れる箱がありそこにお金を収めてからいざ見学となる。

 

庭に入るとなだらかな丘に階段があり、そこを登っていくと拝所に辿りつく。

 

沖縄のグスクによく見られるような石垣はなく、頂上付近には岩陰や洞穴には神墓といわれる場所があり聖域となっている。

 

またミントングスクは先史・原史時代の遺跡であり、グスクからは沖縄の貝塚時代の石斧、土器、貝殻などが見つかっており歴史解明に役立てられている。