港川人の特徴

港川人とは約1万8000年前の旧石器時代に日本の沖縄にいた人類である。

 

もっともよく知られているのが、1967年〜1972年にかけて大山盛保氏によって、沖縄南部のガンガラーの谷から約1キロ離れた海岸の石灰岩採石場で発見された人骨であり、これを機会に発掘調査が本格的に行われるようになった。

 

石灰岩採石場で発見されたのは全部で9体であり、そのうち4体は全身状態が非常によいかたちで見つかっている。

 

そのうちの1体は頭から足まで全身の骨格の形がよい保存状態で見つかっており、これは日本におけるもっとも古い人骨である。

 

港川人の特徴は身長は男性で約150センチ、女性で約145センチと小柄で、骨にとても厚みがあり、現代人の1.5倍ほどある。

 

頭の輪郭はネアンデルタール人と類似しており、顔は縄文人と似ている。

 

また上半身は比較的細く華奢な体格であるが、力はあまりなかったと考えられている。

 

一方で下半身は比較的しっかりとした造りとなっており、狩猟採集の生活をしていたことが推測されている。

 

また顎が発達しており、歯はすり減った後があることから、比較的かたい物を食べていたと考えられている。

 

2014年には沖縄南部のサキタリ洞遺跡で、約9000年以上前の人骨が発掘されており研究が進められている。

港川人と日本人のルーツ

港川人の発見は日本人のルーツを探る上でもとても重要な意義を持っており、港川人が日本本土に渡って日本人の祖先である縄文人となった可能性が高いと言われている。

 

実際に奄美地方や九州、沖縄北部で石斧が発見されており、この斧で舟を作って北上して行き、日本本土に渡り縄文人になったとする説である。

 

しかしこれには諸説あり、港川人が縄文人の祖先とする説にはやや疑問を投げかける専門家もいる。

 

もし港川人が現在の人類とするならば、オーストラリア先住民などに近いとする考えである。

 

沖縄県立博物館には「港川人復元像」が所蔵されており、八重瀬町立具志頭歴史民族資料館には「港川人コーナー」があり、これまでの発掘調査や研究結果などがまとめられている他、全身骨格のレプリカも展示されている。