約3500年前の遺跡

仲泊遺跡は那覇空港から約1時半、ホテルルネッサンスリゾート沖縄を超えた先にあり、観光地としてはややマイナーであるが、その分静かな雰囲気が漂う場所である。

 

沖縄北部国頭郡恩納村にある沖縄先史時代の遺跡であり、1975年4月に国の史跡に指定されている。

 

すぐ近くには恩納村の美しい海岸や森があり、自然豊かな場所に位置している。

 

沖縄県にある同じ時代の遺跡としては、県内最大級の規模で保存されておりとても見応えのある歴史スポットである。

 

この遺跡は岩陰を利用した住居跡と貝塚が残る約3500年前の遺跡とされており、多くの石器や土器が出土している。

 

当時の人々の生活を知る上でとても貴重なスポットとなっており、沖縄における最初の遺構の発見ともいえる場所である。

岩陰住居跡

岩陰を利用した住居跡は、沖縄の先史時代後期の住居跡で、岩陰前面部は中期の貝塚となっている。

 

発掘前の岩陰内は風葬墓であったが、人骨、石棺、陶器棺などを移動してから発掘した結果、住居跡が検出されている。

 

住居跡の岩陰奥では山を切り取って土面を平坦にし、中央に炉跡があり、前面部に柱穴が並んでいる。

 

このことから岩陰の前面部に柱を立て、壁を作ってから、炉を中心に生活していたと考えられる。

 

尚、住居跡の一部と中期の貝塚の上部は石畳道をつくるときに壊され、その下部は石畳道の下部にある。

明治時代まで使われていた石畳道路

また明治時代末期まで利用されていたといわれる、琉球王国時代からの比屋根坂(ヒヤゴンビラ)とよばれる石畳道路が残されている。

 

これは小字比屋根腹の琉球石灰岩の丘を越えるために造られた道で、石畳道路は丘にあるのではなく東と西の傾斜地に蛇行して造られている。

 

ここは東側傾斜地の約98メートルの石畳道であり、西側傾斜地の約76.5メートルの石畳道は山田温泉向かいの場所にある。

 

この道は北部、国頭地方と首里を結ぶ西海岸沿いの主要道路の一部であり、現在残されているのは真栄田の一里塚と仲泊の一里塚を結ぶ歴史の道である。

 

丘の上にはイユミーバンタとよばれる魚群を発見する崖上もある。

 

敷地内は遊歩道が整備されているが、やや歩きにくい場所もあるのでなるべく歩きやすい靴がおすすめである。